【浜名湖のほとりに建てた、英国様式の洋館──イギリスの手仕事と日本の技の出会い】
「どうして2階にお部屋を作ったのですか?」
そんなご質問をいただくことがあります。
それは“理由”があったというより、「こうしたかったから」です。
イメージのなかにずっとあった、理想の空間。
それを一つずつ、かたちにしたかった。その積み重ねの結果が、いまのイギリス洋館なのだと思います。
⸻◆ 25年前、イギリスのクラフトマンと日本の大工さんと一緒にこの建物が完成したのは25年前。
どうしてもイギリスの伝統的な空間を再現したくて、現地からクラフトマンの方々を呼びました。
日本の大工さんたちとともに、言葉や文化を超えて、本当に丁寧に造っていただきました。
1階の階段横にある観音開きのドアもそのひとつ。
細部の納まりひとつひとつに、両国の職人さんたちの手仕事が息づいています。⸻◆
イングリッシュオークの床が支える、落ち着きある時間床材は、イギリスの製材所に出向いて選んだ、イングリッシュオークのワイド&ランダムフロア。
この木は、年月とともに深みが増し、手ざわりにあたたかさが宿るのが特徴です。
夏は涼しく、冬はほんのりとあたたかい。
使い込むほどに空間に味わいが増していきます。
⸻◆ 壁・屋根・照明──
すべてに込めた“本物の英国らしさ”壁は白のスタッコ仕上げ、天井の梁には無垢の木。
屋根には、イギリス・コッツウォルズ地方で実際に選んできた、コッツウォルズ、ブラッドストーンルーフという石の瓦を使用しています。
お部屋の照明、ドア、ベアグラスの引き戸、ドアノブやヒンジまで、すべて現地で見て、手に取り、購入してきたものです。
鉄製のアイアンベッドもイギリスのものですが、マットレスだけは日本製にしました。
日本人の身体に合った心地よさを大切にしたかったからです。
⸻◆ 2階のお部屋にした理由──
湖を望む朝の景色のために2階に客室を作ったのは、そこからしか見えない風景があるからです。
お部屋のベランダから望む浜名湖の朝は、特別なものです。
空が明るくなり、水面が揺れ、静かな時間が流れる──そんな景色を味わってほしかった。「泊まってよかった」と思ってもらえる宿は、景色も、空気も、空間も大切だと思っています。
⸻◆ 人だけでも、犬連れでも──
どなたにもお越しいただきたいお部屋現在、このイギリス洋館は、ワンちゃんと一緒に泊まれるお部屋としてもご案内しています。でも、犬連れでなくても、ぜひ泊まっていただきたいと思っています。どこか懐かしく、穏やかで、落ち着きのある空間。気取りすぎず、
丁寧に──そんな言葉が似合う部屋です。
⸻◆ 「イギリスにこだわって造った宿」それが私の想いです。
この洋館は、憧れや趣味ではなく、しっかりとしたこだわりをもって作り上げた建物です。
素材も、デザインも、空間の使い方も──ひとつひとつに意味があります。
それを支えてくれたクラフトマンの皆さん、日本の職人さんたちには、今も感謝の気持ちでいっぱいです。
浜名湖のほとりにある、4部屋だけのイギリス洋館。
どうぞ、特別なひとときを過ごしにいらしてください。